2009/12/12

創造経営の戦略 / 紺野 登

創造経営の戦略

博報堂で国際マーケティング、都市開発を担当した後、多摩大学大学院の客員教授を務めている著者の「創造経営論」入門。

現状を少しだけ良くするような「カイゼン」策は日々の仕事の中で多少は思いつくのですが、現状を大きく良い方向に動かす「イノベーション」と言えるようなものは今のままだと起こせそうにもないなぁ、起こしたいなぁ、という(軽い気持ちで)読みました。
結果として、私が当初求めているものは本書には載っていませんでしたが、「現代(2009年頃)の顧客価値のあり方」について漠然と頭の中で思っていたことがこの本の中で整理されて書かれており、その意味で非常にためになりました。
具体的には、
「創造」が重要とされる時代背景
情緒的価値の重要性
などについて丁寧で細かい説明がなされています。

現在(2009年頃)の顧客価値のあり方、それを生み出すための方法論について幅広く知りたい方におすすめです。

著者の方の今後のアウトプットにも注目していきたいと思います。


以下、刺さったキーワードとくだり。

キーワード:
時間価値
・スピード価値
 Dellに見られるような価値の提供スピードUP
・ライフサイクル価値
 ジーンズなどのように使用歴に応じて価値が高まる商品

日立製作所のデザインへの取り組みのテーマ(2002年当時)
Customer Experience Design(経験価値デザイン)
・心地よい印象
・見たことのない驚き
・知的な喜び


抜粋:
求められるのは、顧客の暗黙知レベルの理解による、将来的な価値のありかを見抜く力である。かつそこには、価値の提供者側の理想もなければならない。顧客とその理想を共有しつつ、顧客にとっても最適な価値の提供を行わねばならない。そこでは、顧客理解の努力と共に、「どのような価値を顧客に提示することを我々自身は望んでいるのか、それは正当なものか」という、生産者としての絶えざる自己確認や問題意識の反芻が不可欠だ。

経験デザインは、
・消費プロセス(ライフステージ)のデザイン
・知識獲得・共有のパターンのデザイン
・統辞的関係(ストーリー)を創出・表現するデザイン
・情緒・感情のデザイン
・場のデザイン
と複合的で多岐にわたる。

IDEOのステップは、まさに知をベースとしたコンセプト創造の方法である。それは、
①理解し(Understand)、
②観察し(Observe)、
③視覚化し(Visualize)、
④評価し(Evaluate and refine)、
⑤実行する(Implement)
というものである。


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