2010/05/29

伝わる・揺さぶる!文章を書く / 山田ズーニー 2回目

山田ズーニーさんの「伝わる・揺さぶる!文章を書く」については以前書いたことがあるのですが、そのときに取り上げなかったポイントが今になって「あぁ、あんな大事なことも書かれていたなぁ」と思い出されたので、2回目を書きたいと思います

改めて読んでみても、やはり素晴らしい本でした。とにかく読みやすいし、技術のことに限らずより本質的なマインドのことにも、ちゃんと言及されています。

前置きはこれくらいにして内容に。

今回取り上げるポイントはひとつだけ。「正直という戦略」というくだりです。今の僕の表現力ではそこに書かれていることをうまく表現できないので、、、ちょっと長くはなりますが、気になった部分をごそっと引用したいと思います。

背景は、「自分の感情を押し殺して相手の望むようにするやり方で目的を達成する」ということを続けてきた著者が、クライアントへの興味やモチベーションが自分の中で著しく下がっていることに気付いて「あるべきコミュニケーション」について改めて考えてみた結果、ある気付きに至った、というところです。メインメッセージは「文章を勉強することで、自分と相手の両方を大切にする生き方ができる」

自分の想いを語れば、孤立する。自分の考えで行動すれば、打たれる。そのどこが自由なのか、と言う人がいるかもしれない。でもそれは、他ならぬ自分の内面を偽りなく表し、自分として人に関わって、得た結果である。自分を偽ることなく外界と関わっていけるということは、極めて自由なことだと私は思う。
では、自分を偽りさえしなければ人を踏みにじってもいいのか? 孤立してもいいのか? そうではない。
だからこそ、早いうちから、自分の意思を表現して打たれ、失敗を体の感覚にやきつけていかなくてはならない。表現力を磨き、成功体験を重ね、熟練して、自分の意志で人と関わっていけるようにしていくのだ。そういう自由を私は欲しい。そのための思考力・表現力の鍛錬なのだ。
(中略)
自分の偽らざる想いを発言させることが、結局は相手に対しても誠実であり、それが相手の心に響き、相手の潜在力を揺り起こしたときにのみ、本当の満足が得られる。そこに人と人が通じ合う歓びがある。
(中略)
正直という戦略。

文章を書く上でも、正直は、最も有効な戦略だと、私は思う。
(中略)
正直という戦略をとる。つまり、自分に忠実でありつつ、かつ人と関わることを目指す。
そのためには、厳しい文章術の鍛錬が必要だ。
(中略)
自分を表し、人とつながる主な手段として私たちに与えられているのが、この、言葉という不自由な道具なのだ。


自分を大切にしつつ、相手を大切にする「アサーティブネス」という概念についてどこかで聞いたことがあります。wikipediaでは次のような説明がなされていました。
アサーティブなコミュニケーション:アサーティブなコミュニケーションをする人は、自分の心の中を開示することを恐れず、他人に影響を及ぼそうとしない。他人の「個人の境界」を尊重し、攻撃的な侵入から自分を守ろうとする。
アサーティブネス - Wikipedia

まさにこの「アサーティブネス」を身につけて、正直に生きる、というのが文章力鍛錬において最終的に目指すべきひとつのゴールということでしょうか。素敵です。

人に嫌われても自分を押し通すのではなく、その逆に、本当の自分を抑えて人を立てるのでもなく、正直に、自分を活かし、同時に、相手を活かす。そんな創造的なコミュニケーションができるようになりたいものです。

がんばろ。




おまけ
山田ズーニーさんといえば、少し前までイトイ新聞におとなの小論文教室というシリーズものを連載されていました。こちらもよければ。
おとなの小論文教室

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