2010/05/09

プレゼンテーションZen / ガー・レイノルズ 熊谷小百合


プレゼンテーション ZenプレゼンテーションZen
ある目的のもとに人に何かを説明したり訴えかけたりする「プレゼンテーション」。その基本的な考え方と方法論について書かれた本です。

僕は単純にプレゼンテーションのスキルを上げたくて、Amazonで評価の高かった(2008年のAmazon(アメリカ)のビジネス部門売上第3位だったそうです)この本を買いましたが、小手先のテクニックだけでなく、プレゼンにおける基本姿勢から大原則からデザイン上のテクニック、事例まで書かれており、僕にとってはおなかいっぱいの充実の内容でした。

目次です。

目次
・Introduction イントロダクション
 今日のプレゼンテーション
・Preparation 準備
 創造性と制約
 アナログ式に計画を練ろう
 ストーリーを作り上げる
・Design デザイン
 シンプルであることの大切さ
 プレゼンテーションのデザイン:原則とテクニック
 サンプルスライド:画像とテキスト
・Delivery 実施
 完全にその場に集中すること
 聴衆と心を通い合わせる
・The Next Step 次のステップ
 長い旅が始まる


プレゼンテーションをパワーポイントやキーノートなどのツールやテクニックから入るのではなく、聴衆にとって本質的な2つの問い
1. 何が言いたいのか?(メッセージ)
2. なぜそれが重要なのか?(理由)
から入ろう、というのが僕がこの本から受け取ったもっとも大きなメッセージです。また、その2つの本質的な問いに対する答えを形にするために、シンプルで適切なストーリーとデザインを使おう、というのがこの本が言っている最も大きなことでした(僕にとって)。

「プレゼンテーションの準備をしよう!」となると、僕はついすぐにパワーポイントやテキストエディタなどのソフトを立ち上げて、シャカシャカ手を動かし始めてしまうのですが、そうではなく、もっとも本質的な最終ゴールを描くところから始める、そしてそのために適切な方法を用いる、ということが大切なようです。

本書の中からいくつか今の僕に刺さった部分をピックアップします。

(新しい時代が求める、新しい発送法、という話の一節)
今や、リテラシーとは単に読み書きの能力だけではなく、ビジュアルコミュニケーションを理解する能力でもある。今日、我々はより高いビジュアルリテラシーを求められている。同時に、大切なメッセージを伝えたいとき、ビジュアルがいかに威力を発揮するかを理解することも大切である。

(情熱は創造力の源である、という話の一節)
あらゆる仕事は、愛、情熱、イマジネーション、魂によって裏打ちされるべきである。情熱なくして、創造力は生まれない。
(中略)
人生は短い。
(中略)
「他人にいいところを見せよう」とか、「自分の情熱は人からどう見られているのだろう」といった余計な考えは、頭から消し去るべきである。

(「自分には想像力がない」は大嘘である、という話の一節)
あえて危険を冒し、自分の限界に挑戦しようではないか! あなたがこの地球で生きることができるのはたった一回きり、ほんの短い時間なのだ。なぜ自分の才能を試してみようと思わないのか? あなたの才能に驚く人がいるかもしれない。何よりも、自分自身がその才能に驚くかもしれないのだ。

(アイデアはリラックスタイムから生まれる、という話の一節)
素晴らしいアイデアがひらめくのは、往々にして「ブラブラしているとき」や「ボーっとしているとき」なのである。

(スローダウンの効用、という話の一節)
スローダウン(中略)することで、物事の本質がはっきりみえてくるという効用がある。

(心に残るメッセージとは?、という話の一節)
(「アイデアのちから」という本の)著者が発見し、この本において簡潔かつ見事に説明していること――それは、「心に残る」アイデアには6つの共通の法則があるという事実だ。その法則とは
1. 「単純明快(simplicity)
2. 「意外性(unexpectedness)
3. 「具体性(concreteness)
4. 「信頼性(credibility)
5. 「感情に訴えること(emotions)
6. 「物語性(stories)
である。
(番号は僕(ブログ主)が振りました)

(プレゼンテーションデザイン、という話の一説)
どちらかといえば、デザインは「足し算」というより「引き算」である。ビジュアルに関しては、情報を盛り込み過ぎるのも、減らし過ぎるのも、望ましいことではない。
(中略)
ハーバード大学教授(中略)スティーブン・コスリンは、情報を盛り込み過ぎたり、減らし過ぎたりしないように警告している。「聴衆に詳細な情報を大量に浴びせかけることで、自分がどんなに頭が良くて、物知りで、用意周到であるかを見せびらかせたくなることもあるだろう。だが、もし情報がメッセージを伝える上で効果的でないのなら(中略)それはただ邪魔になるだけだ。」


また、「デザインの一般原則」として、次の7つの原則が紹介されています。
シグナル/ノイズ比
画像優位性効果
余白
コントラスト
反復
整列
近接
後半の4つは、本書の中でも述べられているのですが、良書「ノンデザイナーズ・デザインブック」と全く同じです。

最後の「次のステップ」で引用されている釈迦の言葉もステキです。

我々は自分が考えた通りの人間になる
――釈迦

これは「思いが行動を変え、行動が習慣になり、習慣が人生(その人)を変える」という話ですね(釈迦がこんなことを言っていたんですね。。仏教についても、もう一度勉強してみたいと思います)。

……というわけで、この本のテーマはプレゼンテーションですが、著者が言うようにこの本はメソッドではなく「アプローチ」について語っており、生き方そのものについても考え直す機会をもらえる良い一冊です。余談ですが、「僕も20年後くらいにこんな本が書きたいなぁ」と思いました。


追記
プレゼンテーションZenのサイトもあります。本はいったん出るとしばらくそのままですが、こちらは高い頻度で更新され続けています。
Presentation Zen

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