2010/07/31

デザインの輪郭 / 深澤直人 2回目


デザインの輪郭については以前にも書きましたが、2回目を。

数年前にこの本を読んだことをきっかけに、僕はクラシックなモノ・コトづくりを目指すようになりました。それを明確なコトバ「クラシック」にすることはずっとできなかったのですが、最近「クラシック」がしっくりくる感じがするので使っています。それはさておき、今回この本を読むのももう何回目か、という感じです。改めて読みました。


目的
自分のロールモデルである深澤直人さんの考え方を知り、自分のキャリアイメージ作りに活かす。


ピックアップ
前回は「張り」ということをピックアップしました。今回は7点ピックアップしたいと思います。
1.張り(前回と重複)
2.よいふつう
3.最小限のもの
4.幸せの現象
5.アイデアとエクスキューション
6.インタラクションの欠如
7.自由

1.張り(前回と重複)
かたちも、そのものがそこに存在する意義によって自然と定義づけられていくものだ(中略)
必然的形が、必然的力を見せる。それが「張り」なのである。

良い「張り」のあるデザインを生みだすためには、そのものの中身だけを見るのではなく、そのものの存在意義、外部との関係、そのものの位置づけを見る必要がある、ということ。


2.よいふつう
いいふつうがつくれたら本当にすごいと思います。ご飯はふつうのものだから、ふつうのご飯がうまいってことは幸せなことなんです。ふつうのことを、「いいふつう」にするってことが生活レベルが上がるってこと(以下略)

あたりまえの価値に気づくことが最も感動的だと思う。

人の人生を本質的に豊かにしてくれるのは、暮らしから離れた「非日常的」なものでもなければ「特殊」なものでもなく「ふつうのもの」である、ということ。なるほど、と思いました。消費者としても、生産者としても、このことを忘れずにいたいです。


3.最小限のもの
最小限で生きることは、とてもリッチなことだと思います。

ものが増えていくと、気持ちも淀んでくる。心が詰まっていく感じがする。風が流れなくなっていく。心に吹きだまりができていく。

ものをたくさんもっていることはかっこわるい。

「最小限のもので暮らしてみよう」と考えてみると、たくさんのものを捨てなければなりません。そういうことを考えたときに初めて「本当に本質的なものは何か?」を考えることができるのだと思います。去年から僕は家にテレビを置いていなくて、その動機は曖昧だったのですが、この本を今読み返してみて、深澤直人さんのこの言葉に影響を受けてやったんだろうなぁと思います。深澤さんが言う「かっこわるい」は、1)自分にとって本当に大事なものが何かわかっていない、2)物理的に雑然としている、の2つの意味があるような気がします。


4.幸せの現象
日常であなたが感じていること、たとえば靴がすっと履けたとか、そういうことがあなたを幸せにする(以下略)

大切なものは、いつもあたりまえのところにある。

日曜日の朝、起きたら晴天だった。
お気に入りの服を褒められた。
友達の友達ができた。
ジャケ買いしたCDがお気に入りになった。
オレンジの匂いがした。
好きな漫画の最新刊を見つけた。(以下略)

最後の引用は、深澤直人さんの「幸せの現象を挙げてください」という課題に対する学生の答えです。いずれも、ガッツポーズを取るほどではないけど「ちょっぴりうれしいこと」として「うんうん」と納得のいくことばかりです。こういうことが「幸せの現象」である、と気付くことが良いデザイナーになる第一歩なのでしょう。


5.アイデアとエクスキューション
デザインというのは、アイデアとエクスキューション(出来映え)の両方が揃ってできることです。

アイデアは寿司で、エクスキューションは醤油のようなものです。
寿司を食べていると思っても、醤油がないと料理として成立しない。
本当は醤油がデザイナーの力だということです。
寿司の味を引き立てても表には出ない。

寿司と醤油の表現はとてもわかりやすい。


6.インタラクションの欠如
人間が生きるために使っている環境の中にあるすべての情報を自分で自覚できるということがデザインができるということです。

環境との関係性をみているんですよ。
ものをつくるという意味だけじゃなくて、人とコミュニケーションする意味でもインタラクションデザインしている。

礼儀がないとか、マナーが悪いとか、だらしがないとかいうことは精神的なことよりも、関係性が見えない、インタラクションの欠如だと思います。

上の「張り」の部分と同じ主張を別の言い方で言われています。デザインができるためには、環境の中にある情報を認識できることが必要である、と。
僕がハッとしたのが、上記の「礼儀やマナーができない人は精神的な何かが欠如しているのではなく、インタラクションの欠如に原因がある」という言葉です。礼儀がないのを精神的な問題と捉えると、それができない人のことを責めてしまいますが、アンテナ感度が弱いことが原因と思うと「今は弱くても、まだまだこれから鍛えられるしね」と気持ち、肯定的に捉えることができます。


7.自由
自由であるということは、細胞しか鍛えていないということです。

何をするためにその筋肉を鍛えるかじゃなくて、単に「鍛えている」ということです。そうすれば、どんなゴールにでも行ける。

すごい。特定の分野のプロフェッショナルを目指すとき、ついつい派手な枝葉のテクニック(一部の筋肉)を磨くことに力を注いでしまうものですが、そうではなく、細胞だけを鍛えると、自分を決めずに自由に生きることができる、としています。なるほど。。。この境地に行きたいです。


以上です。今回は7つのポイントをピックアップしましたが、読むのはできても実践できないことがたくさんです。ピックアップできていないポイントもまだまだあります。引き続き、ことあるごとに読んでいきたいと思います。

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