2010/07/29

感じるマネジメント / リクルートHCソリューショングループ



感じるマネジメント」を読みました。

組織における「理念の浸透」についておおづかみに学ぶため、Amazonで評判の良かったこの本を購入しました。内容は、デンソーにおいて実際に行われた「理念浸透プロジェクト」の流れを追いかけながら、「理念浸透の意義は?」「理念を浸透させるとはどういうことか?」「理念を実際に浸透させる際のポイントは?」というテーマについて読者に示唆を与えていく、というものになっています。この本自体が
1)物語り(ストーリー)
2)余白の多い(すべてを語らない)もの
になっているため、本書で述べられている手法がこの本の制作そのものにも活かされていて、それが効果的であることが実証されています。ものすごく良書!

私はこの本で、マネジメントということが、必ずしもMECE・ロジカルな選択と集中の戦略で成り立つとはかぎらないということを学びました。


目的
理念の浸透(共有)について学ぶ。


目次
はじめに
人事部長の不安
共に感じる力
理念浸透の手法を求めて
物語を語る知恵
情景を生み出す言葉
「布教の時代は終わりました」
共に歩む決意
余白をつくる勇気
私の中にスピリットはあった
憧れとつながる仕組み
つながりが生み出す力、つながりを生み出す力
エピローグ つながりは、世界へ
あとがき



ピックアップ
特にココ!と思ったエッセンスの部分をピックアップします。…といっても、いいところづくしでかつ僕がまだ消化し切れていないので、たくさんあります。。

共感は共感から始まる

聞き手に対する共感の姿勢のない話し手に、聞き手は共感することができない。

考える必要があります。理念浸透という目的が達成された状態というのは、どういう状態なのか。
それは、その組織のすべての人々が、その理念と自分自身との「つながり」を見出し、行動を通じて表現している状態なのです。

壁に掲げられているだけの理念には、何の価値もありません。
理念が、経営者である誰か自身につながり、行動として表現される。
理念が、社員である別の誰か自身につながり、行動として表現される。
同じ理念を分かち合うことを通じて、会社に関わる多くの人々がつながっていく。
そうなってはじめて、理念は価値をもちます。

理念と自分とのつながりを語る。
理念と、相手とのつながりを問う。
自分と相手とのつながりを見極め、つながりをつくる。

「つながりが生み出す力」を信じ、そのために「つながりを生み出す力」をつける。

『理念を実践していれば業績は上がるし、理念に反していれば業績は悪化する』という信念

理念の実践の度合いが業績に直結する、という強い認識

(理念浸透の)「5つのハコ」のモデル
・トップの意思と行動
・プロモーション
・職場での実践
・物語の伝承
・仕組みの設計と運用

もし、幸運にも、あなたの組織で語り継がれている物語があったなら。あなたも、それを、語り継いでください。

こういった物語は、単に「顧客満足度向上」などと唱えるよりも、はるかに強い影響力をもちます。この物語を聞く、あなたの部下や同僚に、内省を促します。そして、それを語るあなた自身にも、内省を促すのです。

物語は、物語を誘発し、人と理念、人と人とをつなげていきます。

「自律した個人が、一つの目的に向かってつながり、協力しあう組織」

短いスローガンをつくるにしても、その前に情景が描かれていなければならない。スローガンは、情景を思い起こすための「扉」の役割を果たすもの

その理念のなかに、社員が、自分自身のどんな姿をイメージすることができるか。

「感じる」ことのできるビジョンが、人々をより強く行動へと動かしていくのです。

教えるのではなく、共に学ぶのです

<相手の心の中にある宝物>を相手と一緒に見つけながら、共に豊かになること。

「3つの道筋」のモデル
・知識による学び
・行動による学び
・つながりの発見

夫婦関係を幸せなものにするためには、side by sideの関係が大切です。はるかな地平線のような憧れに向かって、並んで歩いていく関係です。歩いていきながら、ときどき互いを見つめ合い、そしてまた前を向いて歩いていく。その関係のなかで、互いの違いは、制約ではなく、力に変わっていきます。

人は皆、修行中なのです。(中略)
先を歩む者にとって大切なのは、自分もまた修行中であるということを、身をもって後進に示すことではないでしょうか。(中略)

先を歩むものとして、まずは自ら理念の体現に取り組むことが大切です。そして、自分の日々の実践を、周囲がよく見ていることを意識したいものです。

デンソー・スピリットと自らのつながりに思いを馳せ、自らに問いつづけ、スピリットを行動や姿勢で表現するよう努力する。
その姿を、人々が常に見ていることを意識する。
地平線のような憧れに向かって、人々と共に歩む。

その決意をすること。

「経営ビジョンの骨子説明」
「経営ビジョンを自分がどう捉え、どう取り組んでいるかの表明」
「参加者への問いかけ・投げかけ」
の3つのポイント

自律には余白が必要
余白は、主体的な思考と実践のために必要な、「間」でした。

自らに問う必要があるのです。
自分たちは、どんな組織を作りたいのか。
何の実現を目指し、誰とどのように働き、一人ひとりがどのようにつながっている組織に憧れるのか。

「ブランドとは、自分の理念を表現し続けることで、関係性の中に生まれる、認識の束である」と、私たちは考えています。

ブランドを築き、維持しつづけるためには、煎じ詰めればたった一つのこと――「すべての人々が、自らの組織の理念の、表現者にあること」――が重要になるのです。

「人間の主な関心事とは、喜びを得ることでも、痛みを避けることでもなく、自分の人生に意義を見出すことなのである」


以上です。

ちょっと軽い気持ちで読んだとしても、この本を読むだけで「組織の理念を浸透させる」という仕事がとてもエキサイティングで意義深いものであるという認識を持つようになると思います。歴史的に実証された方法をもって理念を浸透させる。すばらしい仕事です。

今後、何度も何度も読み返すかと思います。

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