2010/07/30

[新版]MBAクリティカル・シンキング / グロービス・マネジメント・インスティテュート



MBAクリティカル・シンキング」を読みました。

社会人になりたての頃にひととおり読んで勉強したのですが、次のステージに行くために今のタイミングで改めて基礎体力(=クリティカルシンキング力)を強くしておきたいと思い、再読しました。

目的
クリティカルシンキング力(=思考力・コミュニケーション力の基礎)を強める。特に、クリティカルシンキングの全体像の把握に重点を置いておさらいとしてまとめることを目的に。

目次
序章  クリティカル・シンキングの要素と考える基本姿勢
第1章 論理展開
第2章 因果関係
第3章 解く技術
第4章 伝える技術
第5章 ケーススタディ





……以下は、本書の内容を僕なりにわかりやすい形に整理してみました。

クリティカルシンキングの定義

直訳は「批判的な思考」。健全な批判精神を持った客観的な思考。本書では、ビジネスパーソンが現場で使えることを重視して次の要素を盛り込むことで、「物事を正しい方法で正しいレベルまで考える」ことを目指しています。
1.ロジカルシンキング
2.思考の効率を上げるための方法論(テクニック・フレームワーク)
3.正しく思考するための姿勢(心構え)

クリティカルシンキングの意義

クリティカルシンキングを身につけることには、次のようなメリットがあります。
・問題解決や意思決定の効率が上がる
・斬新な発想がしやすくなる
・機会や脅威に気づける
・相手の言いたいことやその前提を的確に理解できる
・説得や交渉、部下のコーチングなどがうまくできる

クリティカルシンキングのおおまかな構成

基礎と実践の2つにわけると次の4つの要素があります。
・基礎
・ロジック
・因果関係
・実践
・問題解決
・コミュニケーション

クリティカルシンキングの基本姿勢

・目的は何かを常に意識する
・イシューを踏まえたうえで、「考える枠組み」を考える

ロジック
論理展開のパターン
・deduction(演繹法)
・induction(帰納法)
※「abduction」もあり

論理展開における陥りがちな罠
・情報の間違い
・隠れた前提
・論理の飛躍
・不適切なルールの適用
・軽率な一般化
・過度な一般化

因果関係
因果関係が成り立つ3つの条件
1.時間的順序
2.相関関係
3.第3因子が存在しない

因果関係のパターン
1.単純な因果関係
2.にわとり・たまごの因果関係(chicken-and-egg)
3.複雑な因果関係

因果関係把握における陥りがちな罠
・直感による判断
・第3因子の見落とし
・因果の取り違え
・最後の藁(last straw)の過大視

問題解決
事象の構造分解の3つのツール
1.MECE
2.フレームワーク
3.ロジックツリー

MECEということ
Mutually Exclusive,Collective Exhaustive。モレなくダブリなく。

MECE分解のパターン
1.足し算  集合を分解する
2.変数   ひとつのものを分解する
3.プロセス 時間軸で分解する

問題解決プロセス
1.イシューの特定 WHAT
2.問題点の特定 WHERE
3.原因の特定 WHY
4.対策立案 HOW

事象の構造分解をうまく進めるポイント
1.目的や課題を明確にする
2.感度のいい切り口を考える
3.手を動かしながら考える

コミュニケーション
説得力のあるコミュニケーションのポイント
・聞き手が知りたいことがすぐ明確にわかる
・論理のヌケ・モレがなく納得感がある
・イシューに関わる事実とその解釈が整理されている

ピラミッドストラクチャ
メインメッセージを頂点に、キーメッセージをその下に置き、それらを支える解釈・事実をさらに下にしてピラミッド状に並べたもの。

ピラミッドストラクチャの作成プロセス
1.イシューの特定
2.枠組みの決定と情報のグルーピング
3.メッセージの抽出
4.論理チェック

コミュニケーションメッセージ作成のポイント
1.イシューを押さえ続ける
2.枠組みをしっかり考える
3.相手の立場に立つ
4.定義を明確にする
5.チェックをする
6.手と目を動かして考える


・・・以上です。

問題とは「あるべき姿と現在の姿が異なっている(ギャップがある)状態」と定義するなら、「すべてのビジネス活動は問題解決とコミュニケーションから成り立っている」と言ってしまってもいいかと思います。その意味でいえば、クリティカルシンキングはまさにビジネスの基礎体力(=筋力)にあたるものだという感じがします。

筋力を鍛えるだけでは一流の選手にはなりませんが、一流の選手になるためには筋力トレーニングが不可欠だと思います。「とりあえず仕事ができたらいい」ではなく、「どうせ人生の大半を仕事に費やすなら、良いステージを目指していきたい」と思う方にとってクリティカルシンキングは大いに役立つと思います。

いまちょうど基礎体力をつけるべき時期にあって、かつ、クリティカルシンキングをまだ知らないという方にはぜひおすすめしたい一冊です。筋力トレーニングを続けているとある日突然スッとレベルアップする瞬間がやってくるのですが、クリティカルシンキングでもそれに似た感覚を感じることができます。



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