2010/09/30

実践するドラッカー[思考編] / 上田惇生監修・佐藤等編著 1回目



会社の方からお借りして「実践するドラッカー[思考編]」を読みました。


「実践するドラッカー」とは
「マネジメントの父」と称されるピーター・ドラッカーの考え方を「思考編」「行動編」という切り口で編集し、「ドラッカーの言葉」+「解説」というわかりやすい形態に落とし込んだコラム集。「思考編」と「行動編」、それぞれが一冊の本になっています。

私が今回読んだのは、「思考編」の方です。


目次
本書(「思考編」)の目次は次のとおりとなっています。
まえがき
第1章 知識労働者として働く
第2章 成長するために
第3章 貢献なくして成果なし
第4章 強みを活かす
第5章 集中する力

ちなみに、本書と「行動編」をあわせた「実践するドラッカー」シリーズ(?)の全体構成は次のとおりです。


「実践するドラッカー」の全体像
■総論
・われわれはどういう存在か、何を目指すべきか
 ・知識労働者について理解する
 ・成長とは何かを知る
 ・生涯を通して学ぶ

■各論
・考え方
 ・貢献
 ・強み
 ・集中
・行動の仕方
 ・時間管理
 ・意思決定
 ・目標管理
 ・計画


ピックアップ
本書の中からピンと来た部分をピックアップします。この本の良いところを挙げていくとキリがないので、、今回は知識労働者(ナレッジワーカー)と成長に関するところ(1章と2章)からだけ抜粋してみました。

現代社会は組織の社会である。それら組織のすべてにおいて中心的な存在は、筋力ではなく頭脳を用いて仕事をする知識労働者である。
(ドラッカー)
労働者のあるべき姿について語るときにドラッカーが置いている前提。

ドラッカー教授は、知識を成果に結びつける行動を「成果をあげる能力」と呼び、『経営者の条件』で5つ挙げています。
①時間を管理すること
②貢献に焦点を合わせること
③強みを生かすこと
④重要なことに集中すること
⑤成果をあげる意思決定をすること
(解説)
ただの物知りで終わるのではなく、成果を出す人間になるためには、上記の5つのことが必要だとドラッカーは言っています。①はタイムマネジメント、②⑤は持つべきマインド、③④は戦略の重要性について語っています。個人的には、③④がうまくできていない気がします。。選択と集中が効いていません。。

成果をあげることは一つの習慣である。実践的な能力の集積である。実践的な能力は習得することができる。
(ドラッカー)
ドラッカー教授は、「成果をあげる能力」は習得できるといいます。(中略)行動だけを変えることは不可能です。まずは思考を変え、納得したうえで、行動を変える。そのサイクルを繰り返すうちに、頭で考えなくても無意識に行動できるようになります。それが「習慣化」された状態なのです。
(解説)
成果をあげるためには習慣が必要で、習慣は身につけることができるといいます。自分はどんな習慣を身につけられているだろうか、と振り返ってみる必要がありそうです。

ドラッカー教授の名著『現代の経営』にある中世ヨーロッパ時代の逸話を材料に考えましょう。
ある人が工事現場の脇を通りかかり、汗を流して働いている数人の石工に、「何をしているのか」と問いかけました。

一人目の人は、こう答えました。「これで食べていける」と。
二人目は、手を休めずに答えました。「国で一番腕のいい石工の仕事をしている」と。
最後の一人は、目を輝かせて答えました。「教会を建てている」と。

『現代の経営』の逸話はここで終わっていますが、この工事現場の一番奥には、こう答える石工がいました。「この地域の心の拠り所を作っている」と。(中略)働く動機はさまざまです。
(解説)
「目的意識のちがい」の話。この話から学べることは、1)仕事の内容は変わらなくても、目的意識は主体的に「選ぶ」ことができるということ、2)どうせ働くなら、より素敵な目的意識を持った方がいいということ。

知識労働者は自らをマネジメントしなければならない。自らの仕事を業績や貢献に結びつけるべく、すなわち成果をあげるべく自らをマネジメントしなければならない。
(ドラッカー)
知識労働者は、自分で自分を管理・監督するより他はありません。組織に貢献しようと心に決め、自らの手でエンジンに火をつけ、スタートを切ることでしか、成果を手にすることはできません。
セルフマネジメントだけが、知識労働者をマネジメントする唯一の方法なのです。
(解説)
苦手な部分は人にマネジメントしてもらえばいいや、と軽く考えていましたが、、、考えを改めます。自分をモチベートする力、自分を管理する力。

第一に身につけるべき習慣は、なされるべきことを考えることである。何をしたいかではないことに留意してほしい。
(ドラッカー)
成果をあげるための優先順位を<must-can-will>で考えます。まず「must=なされるべきこと」、次に「can=できること」、最後に「will=やりたいこと」を問うのです。
しかし、「なされるべきこと」は、「できること」に制約されます。ですから、「できること」を着実に増やし、「なされるべきこと」の範囲を広げていかなければなりません。(中略)
もし、「なされるべきこと」と、「できること」「やりたいこと」がまったく異なるのであれば、とるべき行動はただ一つ、その組織を去ることです。能力や意欲の問題ではなく、その組織で求められる貢献の形と合っていなかったということです。
(解説)
何をやればいいのかよくわからなくなったら、、mustとcanとwillに分けて整理して考える、というのが良さそうです……とはいえ、それがなかなか難しくてできないものです。。

自らを成果をあげる存在にできるのは、自らだけである。(中略)人は、自らがもつものでしか仕事はできない。
(ドラッカー)
「成果をあげる存在」になるには、以下の二つを意識する必要があります。
①いまの自分が持っているものを最大限に引き出すこと
②さらに成果をあげるためには何を身につけなければならないかを問い、それを習得すること
そうして仕事に見合う責任を果たせたとき、成果とともに次の成長機会が訪れるのです。
(解説)
自分の成果は自分であげられるようにするのが一番。まさしくそのとおりです。今いまのことだけでなく、未来の成果のことも考えて先行投資することが必要。こちらも、そのとおりだと思います。

真摯さは習得できない。(中略)真摯さはごまかしがきかない。
(ドラッカー)
「真摯さだけは、身につけることができない」。この言葉には、とても緊張させられます。
自己中心的で、組織やともに働く仲間のことをまったく考えない者が組織を破壊する、といった例は理解できます。しかし、真摯さを定義することは、とても難しいことです。
ドラッカー教授は、次の質問をすることで、その者が真摯であるか否かがわかるといいます。
「その者の下で自分の子供を働かせたいと思うか」
また、組織で働く者の真摯さとは、見返りを求めない親や教師の心構えで人に接することに等しいともいいます。
(解説)
人が真摯であるかどうかを見極めるときに使える問い。私自身も「あの人の下で自分の子供を働かせたい」と思ってもらえるような人間になりたいです。

自らの成長のために最も優先すべきは卓越性の追求である。そこから充実と自身が生まれる。能力は、仕事の質を変えるだけでなく人間そのものを変えるがゆえに、重大な意味をもつ。能力なくしては、優れた仕事はありえず、自信もありえず、人としての成長もありえない。
(ドラッカー)
卓越性を追求するプロセスは、三つです。
・卓越性を得る分野や能力を決めること
・それを獲得するために、時間やエネルギー、お金などを集中させること
・卓越性を究めるために自分の強みを徹底的に利用すること
これらを数ヶ月から数年実践していけば、成果とともに少しずつ自信がついてきます。
(解説)
人としての成長には能力とその先にある卓越性が必要だ、とドラッカーは言っています。技術だけではダメだけど、技術を高める姿勢がなかったらそもそもそれ以前にダメ、ということでしょうか。。

10
成長するには、ふさわしい組織でふさわしい仕事につかなければならない。基本は、得るべき所はどこかである。この問いに答えを出すためには、自らがベストを尽くせるのはどのような環境下を知らなければならない。
(ドラッカー)
成長は、仕事を通じた成果とともにあります。したがって私たちは、自らの能力を開発し、最も能力を発揮する、あるいは伸ばすにふさわしい環境を探さなければなりません。つまり、適材適所を自分で行うのです。
それには三つの基準が必要だとドラッカー教授はいいます。
・自らの強み
・仕事の仕方
・価値観
(解説)
……耳が痛いです。自分がもっとも成長でき、貢献できる環境の条件をきちんと認識し、その環境が実現できる場を選ばないといけないということですね。

11
人に教えることほど、勉強になることはない。人の成長の助けとなろうとすることほど自らの成長になることはない。
(ドラッカー)
学びのプロセスを強化するには、アウトプット面を意識すべきです。
第一に、成果を明確にすること。(中略)
第二に、教えること。(中略)
大切なのは、出し惜しみしないことです。すべて出し尽くすと、不思議なことに、空になったスペースに最新の知識や情報がするすると入ってくるのです。(解説)
本を読んだときにも、こうやってブログに書いて初めて気づくこと、わかることがあります。成果につなげるとさらにわかることがあるのだろうと思います。

12
私が13歳のとき、宗教の先生が「何によって憶えられたいかね」と聞いた。(中略)
今日でも私は、いつもこの問い、「何によって憶えられたいか」を自らに問いかけている。
(ドラッカー)
ドラッカー教授が自己刷新の道具として用いた言葉が、少年時代にフリーグラー牧師に教わった「何によって憶えられたいか」です。牧師はその一言を発した後、このように続けました。
「答えられると思って聞いたわけではない。でも50になっても答えられなければ、人生をムダに過ごしたことになるよ」
当時の平均寿命は50歳そこそこですから、要は死の間際にこの問いに答えられるか、ということです。(中略)
では、どうすれば「憶えられる」のでしょうか。
第一に、人とは違う何かをもつこと。違いを生み出すこと。
第二に、違いを生み出すために、日々実践して成果をあげ続けること。人は成果を出している人を記憶にとどめるのです。
第三に、人は他人に影響を与えることで初めて憶えられます。「あの人のおかげで」というとき、長く記憶にとどめられるのです。
(解説)
「何によって憶えられたいか」――これは、組織のなかで多くの他人とともに生きる私たちにとって、究極の問いのひとつです。志の高さや真摯さ、思いやりの強さ、主体性などで憶えられたいものです。。。

ピックアップは以上です。


感想
本書は形としては「本」の体裁になってはいますが、モノとしては「ドラッカーに詳しい人が、ドラッカーの言葉の意味を少しずつ丁寧に解説してくれる」という感じです。馴染みのある言葉と具体例とワークシートを使って、家庭教師をしてもらってるような気分になりました。

読んでよかったです。「行動編」も読みたくなりました。

ドラッカーについては「エッセンシャル版」でも思ったことですが、ドラッカーが言うことは目新しさはないが普遍的で本質的なことだと思います。


こんな人におすすめ
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」や「マネジメント - 基本と原則 エッセンシャル版」などと同じく、「ドラッカーに興味はあるものの、どこから始めたらいいのかわからない……」という方のドラッカー入門に最適だと思います。また、ドラッカーをある程度読んでいる方がそのエッセンスを再確認するためにもおすすめの一冊になっていると思います。

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おまけ
ドラッカーって誰?という場合はこちら。
ピーター・ドラッカー - Wikipedia
はじめてのドラッカー - ほぼ日刊イトイ新聞

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