2010/09/06

インコのしつけ教室 応用行動分析学でインコと仲良く暮らす / 青木愛弓


インコのしつけ教室―応用行動分析学でインコと仲良く暮らす」を読みました。

心理学の一種である「行動分析学(behavior analysis)」と呼ばれる分野の科学を用いて、合理的・効果的にインコと仲良くなる方法を学べる本です。理論をわかりやすく、そして、実践方法を丁寧に説明してあります。インコと暮らしてる方であれば、今すぐにでも始めたいしつけ方法がたくさん書かれています。

インコと一緒に暮らしてる方が具体的なしつけの方法を学ぶためにも、行動分析学の理論を学びたい方が事例を用いて実践的に学習するためにも使える一冊です。私の家には今インコはいないので、、私の場合はどちらかというと後者の位置づけで。。

行動分析学については詳しくはこちらがよいかと。
行動分析 - Wikipedia


目的
次の2つです。
1.犬と仲良くなれるようになる
2.組織マネジメント力を高める

対象がインコでも犬でも、適切なしつけのアプローチというのはほぼ変わらないみたいなので、この本を選びました。また、近年はこの行動分析学的アプローチをマネジメントの現場に導入しようとする試みもあるみたいですので、そちらの意味での勉強のためにも。


目次
序章
この本の読み方ガイド
1章 3つの箱と4つの法則でインコの気持ちを理解する
2章 ほめ上手になる秘訣教えます!
3章 インコのしつけ7つのルール
4章 どうしてそんなことするの? 理由がわかれば解決できる
5章 ほめてしつける実践編 手に乗る&おいで!
6章 インコはいつでも正しい
用語&対訳
索引
もっと行動分析学を学びたい方のための読書ガイド
あとがき


論理的な構成としては次のようになっています。最初に基礎理論を説明し、それを実践に落とし込む具体的な方法とケーススタディをその後に展開する、という流れです。

理論(原理原則)
→1章 3つの箱と4つの法則でインコの気持ちを理解する

基本(具体的方法)
→2章 ほめ上手になる秘訣教えます
3章 インコのしつけ7つのルール

問題別ケーススタディ
→4章 どうしてそんなことするの? 理由がわかれば解決できる

実践(具体的課題)
→5章 ほめてしつける実践編 手に乗る&おいで!

まとめ(次のステップ提示)
→6章 インコはいつでも正しい


ピックアップ
行動分析学のことを何も知らない状態で読み始めたので、目からウロコのことばかりでした。「複雑なことをシンプルな原則に落とし込む」という科学的アプローチが見事です。以下、学ぶべきところがたくさんありすぎて、ピックアップしまくりました。。。

インコは学習する
しつけの基本は、動物は学習する、ということを認識するところから。
行動の原因を明らかにして、行動に関する法則を見つけるのが行動分析学です。この法則を日常の様々な問題解決に役立てるのが応用行動分析学です。
行動分析学についてわかりやすく説明してあります。
インコは、自分の行動を上手に使って何とかして快適に過ごせるように一生懸命努力しています。だから、インコはどうしてそんなことをするのかな、と考えることが問題解決の第一歩になります。
著者の人柄がうかがわれます。インコが不可解な行動を見せたときに「もう、こんなことして!」と怒るのではなく、「なんでこんなことをするのだろう?どんな理由があるのだろう?」と不思議に思い、考える姿勢、それこそが大事なんですね。
左型の箱は、「どんな時」に行動したかで、中央は「行動(何をした)」、右側は行動の直後に「何が起こった」かを入れました。説明しやすいようにそれぞれ、ABCとこの3つの箱に名前をつけておきましょう。
行動分析学のABC分析(先行条件(Antecedent) - 行動(Behavior) - 結果(Consequense))についての説明。これが行動分析学の核。

行動の直後に起こることが行動の回数を決める!
行動は行動の直後に起こったことに影響を受けます。うれしいことがあらわれたり、いやなことがなくなれば、その行動を繰り返すようになり、いやなことが起こったり、うれしいことがなくなれば、その行動をしなくなります。これが行動の4つの法則です。
これも行動分析学の核。いわゆるオペラント条件付けの拠り所。
「うれしいこと+あらわれる」はヤッター! だから、直前の行動を繰り返す!
「うれしいこと+なくなる」はガーン! だから、直前の行動をしなくなる!
上記の4つの法則のうちの2つ。
「いやなこと+あらわれる」はエー! だから、直前の行動をしなくなる!
「いやなこと+なくなる」はホッ… だから、直前の行動をするようになる!
同じく4つのうちの2つ。
叱るのは難しい
悪いことをしたその瞬間に、その行動をやめさせるだけの大きさの罰を毎回与えなくては、インコはその行動といやなことを結びつけられません。(中略)簡単にいえば、叱っても多くの場合、インコは何で叱れているのかわからず、罰を与える私たちを嫌いになり、噛んだり逃げたりするようになるのです。
これが、行動分析学が教えてくれるもっともすばらしい教えだと思います。倫理的な視点から「怒ったり叱ったりするのはよくない」と言うのではなく、あくまで科学的・合理的に突き詰めて考えると「怒ったり叱ったりするよりもほめることを基本として人や動物に接した方がいい」という結論が出る。

このことを、世のすぐ怒るすべて人たちに知ってほしいです。怒るよりもほめる方がいい。・・・と言いつつ、私も怒ってしまいますが。。。怒るの、やめよう。


・・・以上です。まずは第1章まで。

トゥーリッド・ルーガスさんのカーミングシグナルがまだ途中なので、そちらも読み進めたいと思います。


追記
この本が扱うのはインコを対象とした応用行動分析学でしたが、人間バージョンの本「行動分析学マネジメント」も読みました。こちらもよろしければどうぞ。

0 件のコメント: