2011/02/02

あたらしいあたりまえ。 / 松浦弥太郎


あたらしいあたりまえ。」を読みました。

著者は、現在「暮らしの手帖」の編集長をされている松浦弥太郎さん。

「あたらしいあたりまえ。」は、その松浦さんが発見した「毎日をおだやかに、なおかつしゃきっとして、めいっぱい楽しく過ごすコツ」が詰まったエッセイ集です。毎日の仕事や雑務からは少し離れて静かな場所でゆっくり読むと、旅行に行かなくても旅行気分になれる、すごい一冊です。

まずは余談から
本の内容に入る前にちょっと前置きを。

最近ある発見をしました。それは「旅行気分なら、どんなことでも楽しい」ということ。

旅先であれば、遊んでもごはんを食べても宿に泊まっても。どんなことでも楽しく感じられます。旅先で出会うすべての人やものに「あたらしい感触」が備わっています。

そして、旅行から戻ってきたときには、いつもの部屋や街にもどこか「あたらしい感触」があります。

旅行に行くことの本質は、実はこの「あたらしい感触」を得ることにあるのだと最近思っていて、旅行に出ずして(日常の中で)この「あたらしい感触」が得られるなら、それがいちばん贅沢なことなんじゃないかと考えています。

この視点を日々の暮らし、ビジネスやマーケティングに持ち込めればおもしろいなと思います。ぜひ今後は、こういうところに切り込んでいければと。
(余談ですが、インスタレーション等の(一部の)現代アートの狙いも、この「あたらしい感触」を与えることにあるのだと思います)

この考えのきっかけを私に与えてくれたのが他でもないこの本でした。

目次
全部で50近くの短いエッセイが、明日、今日、昨日、毎日という切り口で分類されて入っています。
はじめに あたりまえの見つけ方
第1章  明日を楽しみに。
第2章  今日もきげんよく。
第3章  昨日にこだわらない。
第4章  毎日をちょうどよく。
おわりに あたりまえの本質

ピックアップ
いいところだらけなので良いポイントを挙げていくとキリがないのですが、、、私が特に良かったと思うところを5つ挙げてみました。

毎日の仕事と暮らしを、つつましくも、常にあたらしくありたいと思っています。
あたらしいというのは、はつらつとした初々しさがあり、ぴかぴかした鮮度があり、やさしいやわらかさがある、ということです。
仕事と暮らしとは社会とのつながりを持つための行為です。そこには人と分かち合うことで得る大きなしあわせがあります。

タイトルにもある「あたらしい」という概念のイメージと「仕事と暮らし」のとらえ方。ここで言う「あたらしさ」とは、歴史的にあたらしいことではなく、自分にとってはつらつとして、ぴかぴかしているもののようです。また、つい忘れてしまいがちな「分かち合うことで得る大きな幸せ」という視点が提案されています。

「ものごとには、功徳と不徳があります。功徳というのは、まったく見返りを求めない無償の行い。不徳とはその逆。(中略)あたりまえに仕事をし、あたりまえに暮らしていたら不徳は増えていくでしょう。だからときには意識して、功徳をしなければなりません

東洋思想を学んだ「ヂェンさん」という方の言葉。「功徳を積む」というのはこういうことなんですね。

どんなときでも、僕には「商売っ気」があります。
(中略)
商売っ気というのは、単にお金を儲けることではありません。
自分が持っている知識、経験、能力などを世の中で機能させること。
(中略)
家で料理を作ることでも、趣味で絵を描くことでも、何か物を売ることでも、自分のすることに対して「商売っ気」をもったらどうでしょう。
もともと好きなこと、得意なことが、もっと好きに、もっと得意になるはずです。

私はつい、仕事は「自分を殺して人に尽くすこと」だと思ってしまいますが、、仕事とは「自分のものを人のためにも活かして、喜びを共有すること」だと捉えられたら、働くことがとても楽しく思えてきます。
自分一人で楽しむのではなく、健全な商売っ気を持つことは人生を豊かにしてくれそうです。

人にはだいたい、友だちプラス知り合いが50人いるそうです。
(中略)
目の前の相手の背後にはそれぞれ50人いるということです。
ちょっとイメージすると、まるで木の枝葉のように広がっていく人の連なりに思えてきます。
(中略)
自分がかかわる人たちと、一生懸命、誠実に付き合っていきたいと思うのです。
(中略)
50人のその人たちこそ、自分に何かを教えてくれたり、幸せにしてくれます。

50人しかいない、と考えると、毎日会う人をもっと大切にしないと!と思えてきます。

自分で決め、自分で果たすものなら、ルールは生きがいになります。だから僕は、毎日を自分がつくったルールによって、楽しくしています。
(中略)
長い階段を一段ずつのぼっていくように、毎日毎日、絶えることのない営みがなければ、目指す場所にはたどり着けないのです。
逆に言えば、ちゃんと毎日階段をのぼるようなルールを決め、それを守ってさえいれば、必ず何かしらの結果は出ます

何も制限のない「自由」よりも、自分で自分を律する「自律」の方が楽しいし、結果も出てうれしい。


・・・こういうことをバタバタする中でもちゃんと思い出せるようになりたいものです。

こんな方におすすめ
・最近、毎日が同じことの繰り返しのように感じる
・毎日の暮らしをもっとハリのある、楽しいものにしたい
・アクセルもブレーキもめいっぱい使えるようになりたい

おまけ
松浦さんについてはこちら
松浦弥太郎 - Wikipedia
松浦弥太郎さん「本当に満たされる暮らしとは?」 - MYLOHAS

本のコーディネートなどを行う「COW BOOKS」の代表もされています。

■通いたくなる書架を。
レストラン、カフェ、ホテルといった施設にて、COW BOOKSセレクトによる書籍閲覧コーナーのプロデュースをいたします。

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松浦さんが編集長を務める暮しの手帖はこちら
雑誌『暮しの手帖』

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