2011/02/03

日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方 / 山本敏行



大阪の気鋭のIT企業、EC studio代表の山本敏行さんが書かれた「日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方」を読みました。


きっかけ
きっかけは、「ITツールでもっと生産性を高めたい」と思ってウェブ検索をしていたときに「人生は時間(時間を何倍にも増やす52チップス)」というブログ記事を読んだことです。その記事で紹介されていたITツールの徹底活用法に驚き、ブログ主の山本さんとEC studioに興味を持ちました。


本の一言紹介
「日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方」は、EC studioで実践されている「経営ポリシー」と「具体的仕組み」、「IT活用法」が紹介してある本です。

実際に運用されている「経営ポリシー」と「具体的仕組み」が紹介されていて、成果が出た実証済みの「IT活用法」だけが紹介されているという意味で、単なるハウツー集とはまた違った本になっています。

実際に私はこの本にならっていくつかのツールを使い始めました。この本をきっかけにひとつでも新しいITツールがうまく導入できたら、この本を読んだ価値はあるかと思います。


目的
「ITの活用」で最先端を行っている会社の考え方と具体的活用法を学ぶ。


目次
はじめに
第1章 「社員第一主義」の非常識な働き方
第2章 社員の満足度がアップする非常識な制度
第3章 小さな会社が成功するための非常識な戦略
第4章 小さな会社の利益を増やす3つのIT戦略
第5章 モチベーションと利益が劇的に高まるITツール活用法



ピックアップ
ココ!というところを取り上げます。

うまくいっている会社の経営者は、まず、自分の社員のことを第一に考えている!

「人を大切に」というのは松下幸之助の時代(あるいはもっと前)から言い尽くされてきたかと思いますが、本書を読むかぎりEC studioではこれを掲げるだけでなく実践されているようです。ときには失敗するアクションや仕組みもあることと思いますが、トライアル&エラーをしていることが重要かと思います。

ECスタジオでは、経営理念・経営ビジョンといった目指すことだけではなく、会社として「しないこと」を明確にしています。何をなすべきかと同時に何をしないかが重要だと考えています。
(「しないこと14ヵ条」から抜粋)
2 株式公開しない
3 他人資本は入れない
8 売上目標に固執しない
12 会社規模を追求しない
14 日本市場だけにこだわらない

「やらないことを決めて、明文化する」――これは目から鱗でした。「やること」よりも「やってはいけないこと」を決めた方がより指針が明確になり動きやすくなることもあるようです。私もやりたいと思います。

ECスタジオのサービスは「ハイクオリティ・ロープライス」をモットーにして提供していますが、それを実現するためにお客様にもご協力いただいています。
(中略)
最初は勇気がいるかもしれません。でも、「何でもできます!」と言って無理をして、社員が疲弊して結果的に顧客にも迷惑をかけ、自社の利益も減らしているケースが中小企業には多い。そんな負のループから抜け出すために、お客様は神様です思考からパートナー思考へ変えることは、結果的にお互いにとっていいことなのです。

これはアイデアとして言うことは簡単でも実践がなかなか難しいもの。。。意思決定しやすい立場にある人が、びしっと言うしかないかな、と。

ネット上からの情報収集はもちろんのこと、毎年シリコンバレーに出張して、現地では何が起こっているかを視察して、最新情報を入手しています。

「IT企業」という立ち位置でいくなら、冷静な目を持ちながら最先端に触れておくのが大事、とのことでしょう。最先端のものに「飛びつかない」「振り回されない」ためにも、自分自身で触れることが必要のようです。

ECスタジオでいつも心がけていることは他社との差別化です。他社と同じであれば顧客にECスタジオを選んでもらえず、ECスタジオとして存在価値がないということになります。

ポーターが提示した「差別化」か「コストリーダーシップ」のどちらかしかない、という話をきちんとアクションに落とし込まれてるようです。これも自分の商品、自分のビジネスとなると批判的な目をなくしてしまい、ついつい抜けがちな視点です。

ECスタジオでは「こだわる」と決めたことは徹底的にこだわっています。その中でも顕著な例の1つが「1と4へのこだわり」です。(中略) 1と4にこだわると決めてから、数字を決める際に非常にスムーズになり、社員に対しても数字の根拠を話す必要がなくなりました。
会議の参加人数は4人まで

これも、目からウロコでした。地味だけど、すごいと思います。

たとえば、何かの数字を「4で行きましょう」と決めたときに、上司や部下から「どうして3でも5でもなくって4なの?」と問いかけられることがあります。

こういう場合、答えるのは簡単ではありません。0か1のデジタルな意思決定であれば明確な根拠を示すことは比較的簡単ですが、アナログの意思決定(連続値の意思決定)においては「なぜ他でもないその値なのか?」という細かいロジックは詰め切れないということがよく起こります。

そういうときには何がしかの「決め」で意思決定するしかないのですが、権限がある人がその場その場の気分で「今日は2月4日だから、4!」などと適当に決めてしまうと、権限が無い人のモチベーションが落ちかねません。

ですので、「1か4にする」というのを事前に決めておくというこの仕組みはすごいと思います。あらゆるアナログの意思決定を早めるという意味で大きな効果を発揮してそうです。


決まった時間の中で利益を上げようとすると、1人当たりの生産性を高めるしかないのです。
ECスタジオがITを重要視しているのは、活用の仕方によってITが時間を何倍にも増やすことができる「時間製造ツール」だからです。
人が得意なことは人に、ITが得意なことはITにさせるという考え方で、人は付加価値創造が得意で、ITは繰り返し作業が得意(以下略)

こういった「利益観」「IT観」が社内で共有できているのであれば、これがEC studioの強力な強みだと思います。

これは、人のこと、ITのことをきちんと勉強して、きちんと理解していないと実践できないことです。多くの人は「IT活用」という話題を前にすると、IT恐怖症になるかIT依存になるか。

そのどちらでもなく、冷静に正しくITを活用するということ。

今後の10年は、こういうIT観のある企業とない企業との間の格差が、どんどん開いていく時期だと思います。

直接会って話す、電話、メール、チャット、ツイッター、手紙など、それぞれとりたいコミュニケーションの目的、緊急度、重要度によって使い分ける必要があります。社内においてコミュニケーション手法を明確にしておかないと、緊急度も重要度も低いような用件を電話で連絡することがあり、電話を受けた社員の業務を中断させてしまうことになります。

これも「正しくITを活用する」お話。半世紀前に開発されたメールがデファクトスタンダードだからといっていつまでもこれを使うのではなく、様々なコミュニケーションパターンそれぞれの目的と押さえるべきポイントに応じて、適切なものを選ぶことが必要、とのことです。




感想
具体的に今日から真似できる考え方、ITの活用法を学ぶことができました。

私は個人の視点で読みましたが、個人だけでなく、家族の視点、サークルの視点、大企業やその他の大きな組織の視点から読んでもたくさんの学びがあると思います。


こんな方におすすめ
・自分が経営・所属する企業の生産性を高めたい
・強いIT企業のあり方を学びたい
・さまざまなコミュニケーションツールをうまく使い分けたい
・GoogleカレンダーなどのITツールが気になってるが使っていない


おまけ
人生は時間(時間を何倍にも増やす52チップス) - EC studio 社長ブログ
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IT実践会 - EC studio

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