2011/04/11

自助論 / サミュエル・スマイルズ 竹内均


自助論」(竹内均翻訳版)を読みました。原題は「Self-Help」。

人生をいかに生きるべきか」を豊富な事例を用いてさまざまな切り口から解説した本です。

英語版は1859年に出版され、日本語版は明治初期に「西国立志編」というタイトルで出版されたそうです。明治の終わりまでに100万部売れ、福沢諭吉の「学問のすすめ」と並んで明治の青年たちを奮い立たせた一冊だったと聞きます。

本書の例に挙がっているロールモデルは日本人には馴染みの薄い名前ばかりですが、これでもかというくらい豊富な具体例と偉人の発言が紹介されていて刺激的。

この本はとことんポジティブで読むといつも元気になれるため、数年前に買ってから繰り返し読んでいます。

目次
1章 自助の精神
2章 忍耐
3章 好機は二度ない
4章 仕事
5章 意志と活力
6章 時間の知恵
7章 金の知恵
8章 自己修養
9章 すばらしい出会い
10章 信頼される人


本書の内容は多岐にわたるため、グッとくるポイントは読む人によって異なるかと思います。以下は、あくまでも私なりにグッときたポイント。今回は全部で6点です。

1. 自助の精神

自助の精神を持とう!――これが本書のメインメッセージです。
天は自ら助くる者を助く
(中略)
自助の精神は、人間が真の成長を遂げるための礎である。
人から援助してもらうことも必要だけど、成長の核となるのは常に自分の意志と努力である、と。つい人のせいにしそうなとき、なるべくこの言葉を思い出すようにしたいものです。

2. 人に対する援助や教育のあるべき姿

人を長期にわたって助けたいのなら、魚をあげるのではなく、釣りの方法を教えるのでもなく、自助の精神のメリットを伝えることこそが必要なのかもしれません。
いかにすぐれた制度をこしらえても、それで人間を救えるわけではない。
いちばんよいのは何もしないで放っておくことかもしれない。そうすれば、人は自らの力で自己を発展させ、自分の置かれた状況を改善していくだろう。
最良の教育とは、人が自分自身に与える教育である
(中略)
学校教育は、真の教育のほんの手始めにすぎず、精神を鍛え勉強の習慣をつけるという意味でのみ価値がある。
いつの時代も、最良の教師たちは自己修養の重要性を真っ先に認め、自力で知識を習得するよう学生を励ましてきた

3. 習慣の価値

私が最近注目している「習慣」についての記述もありました。
最大限の努力を払ってでも勤勉の習慣を身につけなければならない。
人間は習慣の寄せ木細工であり、習慣は第二の天性なのだ。
詩人メスターシオは、「人間においては習慣がすべてだ。美徳でさえも習慣にすぎない」とまで断言した。
習慣は若いうちほど身につきやすく、一度身についたら終生失われはしない。ちょうど木の幹に刻まれた文字のように、時代を経るにつれて大きくなっていくのだ。
人生の若い時期に得た習慣は、悪に対する真の防波堤となる。なぜなら、人間が品行方正になるのは習慣を通じてであり、モラルが損なわれないよう守ってくれるのもまた習慣の力なのだ。
習慣は人間の「美徳」というきわめてマインド寄りの部分とも直結していると言っています。私も最近こう思うようになりました。習慣と独立したマインドはありえません。

4. 決意・集中・努力

決意をし、目の前のことに集中し、ひたすら努力を続けること。実践するのは難しいですが、やるのもやらないのも自由――となると、やらない手はありません。
どんな分野であれ、成功に必要なのは秀でた才能ではなく決意だ。あくまで精一杯努力しようとする意志の力だ。
絵画にしろ他のどんな芸術にしろ、卓越した作品を生み出そうと意を決したなら、朝起きてから夜の眠りにつくまで全精神をそこに傾けなければいけない
ねばり強く努力を続ければ、誰でも人に抜きん出ることができる
卓抜な技量は、努力によってのみ与えられる。すぐれた才能を持っていれば、勤勉がその才能をいっそう高めるだろう。能力が人並みであっても、勤勉がその欠点を補うだろう。努力が正しい方向へ向けられてさえいれば、決して裏切られることはない
困難は乗り越えるためにある。だから、ただちに困難と取り組め
(中略)
困難を征服しながら、われわれは学んでいく。一つの困難を克服すると、それが新たな困難に立ち向かう助けとなる。
誰でも、才能があろうがなかろうがひたすら努力していれば何かはつかめますよ、と。本書のこの身も蓋も無い感じというかやたらにポジティブな感じが私は好きです。そりゃそうですよね。がんばろ。

5. 人生の目的

人生の目的は人間性を高め続けることにある、と。ワタミの渡辺さんも同じことを言っています。人生最大の創作物は自分自身。
人生の最高の目的は、人格を強く鍛えあげ、可能な限り心身を発展向上させていくことである。これこそ唯一の目標であり、それ以外のものはこのための手段にすぎない。
われわれは、自分が「いかにあるべきか」、そして「何をなすべきか」を自分自身で選び取る必要がある。
この問いの答えを自分で決めるというのが、人生の自由であり義務でもあり、面白いところです。

6. 勤勉・正直・感謝(訳者)

巻末の「訳者のことば」にこうありました。
私の理解では、自己実現とは①自分の好きなことをやって②十分に食うことができ③のみならずその結果が他人によって高く評価されることである。
そして、その方法としては勤勉正直感謝以外にないというのが私の結論である。
これは竹内均さんの信念として方々で紹介されているそうです。勤勉さも正直さも感謝の気持ちも、すべて10代のうちに知るような簡単な概念ですが、ここにこそ本質がある、と。


・・・以上です。


一言感想

本書が今から150年以上も前に書かれ、150年もの間いろんな形で読み継がれてきたということに、単純に、すごいと思いました。私が生まれるずっと前に生きた人が私を刺激し励ましてくれてると思うと、非常に感慨深いものがあります。

こんな方におすすめ
・自分の人生に対してもっと主体的になりたい
・もっとポジティブになりたい


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