2011/04/27

掃除道 / 鍵山秀三郎著 亀井民治編


掃除道」を読みました。

著者は、イエローハットの創業者である鍵山秀三郎さん。「凡事徹底」をポリシーに毎日の掃除を50年近くにもわたって継続してこられたという、まさに「掃除の鬼」のような方です。

自分で掃除をするだけでなく、掃除の価値と方法を伝える「掃除に学ぶ会」という活動を日本全国でされています。「日本の歴史の中で掃除について最も啓蒙した人」と言ってもいいかもしれません。

この「掃除道」はそんな著者が「掃除」について語った一冊です。

最近、「整理」についての勉強&実践を続けている一環で、「整理」と近いところにある「掃除」についても理解を深めたかったのでこの本を手に取りました。

目次
本書は大きく3つの部分に分かれています。第1章は、著者が掃除をやり続けることになった背景。第2章は、掃除に対する具体的なマインドとハウツー。残りの第3章から7章までは「掃除の輪」が広まった先での実際のエピソードが紹介されています。
はじめに
第1章 掃除の変遷
第2章 掃除の基本と心構え
第3章 「日本を美しくする会」誕生
第4章 掃除で何が変わったか――企業経営編
第5章 掃除で何が変わったか――学校教育編
第6章 掃除で何が変わったか――地域社会編
第7章 掃除で何が変わったか――海外編
おわりに

読んでみると、どちらかと言うと、掃除のテクニックよりも、掃除の価値の高さを裏付けるエピソードに重きが置かれていました。

私は前者のテクニックの方を学ぶ目的でこの本を読み始めましたが、読んでいくうちに、エピソードや著者の人となりに感動し、最後の方はどちらかと言うとエピソードや心構えに引き込まれて読んでいました。

本書の中で特に私の学びとなったポイントをピックアップします。


1 著者が掃除を続ける理由

著者が50年近くにもわたって掃除をやり続けたきっかけは、1)両親の影響、2)人の心の荒みを減らしたいという思い、の2つだそうです。
私が掃除を始めるようになった動機は、二つあります。
一つは、何と申しましても両親からの影響です。もう一つは、「人の心の荒み」を何としてでも減らしたいという猛烈な願いからです。


2 掃除が続く3つの原則

掃除が継続できるようになるためには、環境作りと工夫が必要です。
掃除をする習慣を定着させるには、掃除の基本があります。その基本を大きく分けますと、次の三つが挙げられます。
1.掃除道具をキチンと揃える
2.掃除道具の置き場所を決める
3.工夫しながら掃除をする
さらに、置き場所を決めるときには、整理整頓をして、すぐ使える状態で保管することが大事、とのこと。
置き場所の整理整頓が大切
必要なものを一目で「誰でもわかる」「誰でもすぐ使える」「誰でもすぐに戻せる」仕組みにすることです。

また、自分自身の楽しみと成長のために、工夫し続ける心構えが大事、とのことです。
たえず工夫改善して進歩することです。
少しでも進歩すれば、楽しくなります。

3 「広く浅く」よりも「小さく徹底」

掃除する時間が少ない場合は、広く浅くやるよりも一ヵ所を徹底的にやる方がいいとのことです。そこで得た小さな成功体験が次につながり、プラスの連鎖が生まれていきます。
私どもがとくに心がけていることは、範囲を限定して掃除を徹底するということです。
これは、掃除にかぎらず万事にあてはまりそうです。

4 著者が徹底して掃除をする3ヵ所

著者がこの本の中で説明していたのは、お店や事務所の周り、営業車、トイレの3ヵ所でした。
外周りの掃除
洗車
トイレ掃除

それぞれの場所を掃除することには、次のような理由(効果)があります。

・外周りの掃除 = 近隣の方に迷惑をかけていることのお返し
会社を経営するうえにおいて、迷惑を避けることができないのであれば、他の何かでお返しできないものか
そういう考えが根底にあって始めたのが、近隣外周りの道路掃除です。

・洗車 = 事故を減らす + お客様から尊重される存在になる
洗車を徹底するようになった理由は、二つあります。
一つは、事故を減らしたいという願い。あと一つは、お客様(取引先)から尊重されたいという強い思いからです。

・トイレ掃除 = 謙虚 + 気づき体質 + 感動 + 感謝 + 心
1.謙虚な気持ちになれる
2.気づく人になれる
3.感動の心が育まれる
4.感謝の心が芽生える
5.心を磨く

5 体験者の声

著者に掃除指導をしてもらった体験者は、感謝の気持ち落ち着き気づき体質謙虚さ行動力達成の喜び(有能感)など掃除を通して得られたものがたくさんあると言っています。
だれよりも変わったのは、自分自身です。
それまでの私は、社員ばかりを責めていたように思います。しかし、社員と一緒に掃除をするようになってから、社員の後ろ姿に心のなかで手を合わせられるようになりました。同時に、少々のことでは動じないようになりました。また、身の周りに起こることの意味を感じられるようになったのです。
トイレ掃除をするようになってから、(中略)いままでの自分がいかに傲慢だったかに気づかされたのです。
そんな私の身の周りで、こんなことが起こるようになりました。
掃除をしている私に患者さんが声をかけてくださることが多くなったのです。(中略)不思議でなりませんでした。
(中略)
おかげさまで、以前とは比べようもないくらい地元の人や患者さんから好評をいただくようになりました。
結果において、患者さんの数が多くなり、業績好転につながったのだと思います。
掃除をすることによって得られた大きな効用の一つが、手間ひまかけることを面倒くさがらなくなったということです。気づいたことを億劫がらずに、サッと処理する行動力が身についたということです
最初は抵抗があったが、やりだしたら夢中になった。楽しかった。
自分が掃除をしたところと、他の人が掃除をしたところを見比べてみて、自分のほうがきれいだった。うれしかった。
掃除をすると、謙遜心が養えます。謙遜心を持つことができれば、立場の上下に関係なく相手に対して誠心誠意応えることができます。
同時に、汚いところを一所懸命に掃除することで、はじめは困難だと思っていても必ず乗り越えられるという意思が芽生え、楽なことを求めず何にでも挑戦できるようになります。

・・・以上です。

一言感想

掃除を続ければ、心が穏やかにそして強くなる――本当にそうだろうなと思いました。掃除を、単なる雑用ではなく、自分を高めてくれて周りにも貢献できる便利な方法だと捉え直すと、掃除の意味が変わってきそうです。

整理だけでなく掃除もしっかりやるようにします。

おまけ
日本を美しくする会 掃除に学ぶ会
「掃除」をテーマとした鍵山秀三郎さんへのインタビュー記事 - 現代ビジネス


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