2011/05/18

モノとわかれる!生き方の整理整頓 / 大塚敦子


モノとわかれる!生き方の整理整頓」を読みました。

「生活オーガナイザー」がテーマの本です。

2005年当時、日本ではほとんど知られていなかった「生活オーガナイザー」(プロフェッショナルオーガナイザー)という職種を日本にいち早く紹介し、生活オーガナイザーの考え方、シンプルライフのメリット、お部屋整理(片づけ)の具体的なコツなどが解説されている一冊です。

著者はこの本の目的を次のように述べています。
生活オーガナイザーに啓発されて、「モノとのわかれ方」を学びはじめた私のささやかな経験を、もっと自由に生きたいと思っている人たちとわかちあうことが、いちばんの目的である。

私は、整理についての理解、そして、生活オーガナイザーというものへの理解を深めるために読みました。

目次
はじめに
第1章 生活オーガナイザーとの出会い
第2章 私も日本でやってみた
第3章 よけいなものを持たないために
おわりに――あとがきにかえて
巻末資料 ※寄付先一覧など


私がこの本から得た学びのポイントをピックアップしてみたいと思います。「生活オーガナイザー」に関する記述を中心に、今回は全部で8点です。

1 「生活オーガナイザー」とは?

アメリカで広まっている職種「生活オーガナイザー」とは、生き方や生活全般を俯瞰した上でモノや空間を整理するお仕事です。
よけいなものを減らし、家のなかをすっきり片づけたいと思っても、ひとりだと捨てる決心がつかなかったり、つい座り込んで昔の手紙など読み始めたりして、なかなかはかどらないもの。だが、プロフェッショナル・オーガナイザーは、第三者の立場から冷静に全体を見て、よけいなものは取り除き、必要なものはより使いやすいように配置してくれる
日本で言うところの「収納アドバイザー」のようだが、単にものを捨てたり、収納の問題を解決したりするだけでなく、生き方や生活全般の見直しをする手助けをしてくれるので、むしろ「生活オーガナイザー」と呼ぶほうがぴったり来る。
この仕事は、ただ、ものを片づけるだけではなく、その人がどんな生き方をしたいのかを見いだす手助けまでする、大変奥の深い仕事らしいということだ。

2 「生活オーガナイザー」という職種が誕生した背景

アメリカでも、「物質的な豊かさ≠幸せ」という認識が急速に広まってきたそうです。

そこから、これ以上物質的な豊かさを追い求めるよりも、一度冷静に立ち止まって、人生に対する考え方・価値観を見直し生活のあり方やモノとの関係を根本から整理したい、と考える人が増えてきたそうです。
20年前の生活と比べて「豊かになったか」という問いにはほとんどの人がイエスと答えたのに対し、「幸せになったか」という問いには、ノーと答えた人の数のほうがずっと多かった、という記事が出ていた。
ものを増やし、物質的に豊かになればなるほど、その生活を守るために、お金もストレスもかかってくる。

3 アメリカの生活オーガナイザーのサービス提供プロセス

著者が実際に生活オーガナイザーがサービスを提供する場面に立ち会ったところ、ケースバイケースではあるものの、おおよそ次の流れが共通していることが見てとれたそうです。
1.クライアントとのインタビュー 「なぜ?」「どんな?」
2.何を目標にするか決める
3.目標にそって、スタート
4.自分が何をどれだけ持っているのか把握する
5.持っているもののうち、何を置いておきたいか、選ぶ
6.迷ったものは「六か月箱」、寄付するものは「寄付箱」、捨てるものは「ゴミ箱」へ
7.置いておくものを、使いやすく整頓する

流れとしては、まずは、1)クライアントの根源的な欲求ビジョンを聞いた上で、2)その人に合った目標を定め、3)現状を把握し、4)具体的にモノを分類し、行き先を決定していき、最後に、5)残ったものを使いやすい状態にする、という流れになっているようです。

4 生活オーガナイザーをする上で核となる問い

生活オーガナイザーは、表面的な活動はモノを片づけたり空間をシンプルにしたりすることにありますが、その活動の軸には常に「クライアント自身がどういう生活をしたいのか?」という問いがあります。
生活オーガナイザーがクライアントに投げかける、もっとも基本的な問い。
あなたは一日を、どんなふうに過ごしたいですか?
自分の生活のなかで、何が必要で何がよけいなのかを考えるとき、この問いに思いをめぐらすことは、ほんとうに大切だと実感した。

5 整理(片づけ)が手に付かない大きな原因

「いつかやりたい」と心では思っていても、多くの人がなかなか整理に取りかかれない理由には大きく2つの理由があるそうです。1)優先順位が低くて時間が取れない、2)ルールが決まっておらずやり方がわからない
なぜ、すぐ片づけないで先送りにしてしまうのだろうか。その原因を自分なりに分析してみると――
1.もっと優先順位の高い目のまえの仕事に追われているので、時間がない
2.入れる場所が決まっていない
3.住所などの個人情報が入っているので、そのままでは捨てられない
私の場合は、ほぼ右の三点に集約されることがわかった。

また、著者が挙げているものに加えて、私は「整理の価値が認識できていない」というのも大きな理由のひとつにあるかと思います。

6 二度とモノがあふれる生活に戻らないための工夫

大がかりな整理をして部屋を片づけても、時間が経つにつれて元の状態に戻ってしまったら元も子もありません。モノの量を一定に保つためにできることとして、著者は次のようなことを提案しています。
買い物の仕方を変える
よけいなものを買わないこと
ひとつ新しいものを買ったら、ひとつ古いものを手放すこと
「これを買う」というはっきりとした目的がないかぎり、デパートやショッピングモールには足を踏み入れないこと。それと、バーゲンにも行かないこと。

7 いただきものの扱い方

整理をする上で欠かせないことのひとつが「捨てる」という作業。しかし、人からのいただきものなどはそうやすやすとは捨てられないものです。

そこで著者が提案するのは「いただいたことへの感謝の気持ちを十分に味わい尽くすこと」です。
「まず、いただいたものをしばらく家に飾るか、バッグの中に入れて持ち歩く。そして何日か、もしくは何か月かのあいだ眺めて、くれた人の顔を思い浮かべ、感謝してから、寄付箱へ」

逆に、いただきものに対して十分な感謝の気持ちが味わえないうちは、無理に捨てようとするとかえって心理的な負担になるため、その間は大事に持っておけば良いのだと思います。

8 他者の「整理された暮らし」へのきづかい

本書のユニークな点のひとつに「自分の生活だけでなく他人の生活にも配慮した考え方が豊富に紹介されている」というものがあります。

たとえば、「実家を物置き化しない」「誰かにものをあげるときには消費できるものにする」などです。
誰かにものをあげるときは、消費できるものにするように
お勧めは、花束、ワイン、映画のチケット、レストランの食事券など。
ものをあげるんじゃなくて、どうやって、ともに時間を過ごすか、どうやって何かを“いっしょにする”か

・・・以上です。

一言感想

イチ生活者から見た生活オーガナイザーの印象や、実践的な整理のコツなど、整理のプロではない著者ならではの内容が盛りだくさんで、面白く読むことができました。

整理に対する考え方も深まりましたし、生活オーガナイザーへの理解も深めることができました。

こんな方におすすめ
・生活オーガナイザー(プロフェッショナルオーガナイザー)について大づかみに知りたい
・具体的、実践的な整理のコツを知りたい

おまけ
著者の大塚敦子さんのページはこちら。
大塚敦子ウェブサイト ともに生きる
NHKの特集ページもあります。
大塚 敦子「ともに生きる from the world」 - NHKハートネット


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