2011/07/22

描いて売り込め!超ビジュアルシンキング / ダン・ローム 小川敏子


描いて売り込め!超ビジュアルシンキング」を読みました。

原題は「The Back of The Napkin」。

絵を使って考える方法、いわゆる「ビジュアルシンキング」について解説した一冊です。ビジュアルシンキングとは、問題を把握したり(状況を整理したり)、アイデアを考えたり、誰かにアイデアを伝えたり。ビジネスパーソンが日々直面するあらゆるシーンで活用できるとても便利な思考方法です。

以下、本書の中身をざっとご紹介していきます。まずは目次から。

目次
第1部 はじめに 絵を使って問題を解決しよう
第2部 アイデアを発見する
第3部 アイデアを発展させる
第4部 アイデアを売り込む

次にエッセンスのピックアップを。5点ほどあげてみます。

1 人間の脳の自然な使い方「ビジュアルシンキング」

ビジュアルシンキングとは、絵を描きながら情報を整理、編集、表現する方法です。

そのいちばんベースにあるのは、「人間は視覚的な動物だ」という事実。これは、ものすごく重要なのにビジネスシーンでよく忘れられがちな事実です。

人間は特に視覚がよく発達しているらしく、コトバだけで考えるよりも視覚を使って考えた方がより確実に、より早くモノを考えることができるそうです。

ですので、絵(イメージ)は、人間がものを考えるときの「おまけ」などではなく、むしろ核となるものです。思考力の中心にあるのはイメージの力、と考えてもよいかもしれません。だから、絵を使えば、シンプルで、わかりやすく、記憶しやすく、編集しやすい情報を作ることができます

2 ビジュアルシンキングの4つのプロセス

ビジュアルシンキングには、見る視る想像する見せる、という基本プロセスがあります。


これは、人間が周りの状況を理解し、判断し、行動を起こす一連のプロセスと同じ形をしています。

見る
まずばっくりと、そこの状況を見るというプロセスです。誰が、何が、どれだけ、どこに、いつ、どのようにあるのかを把握します。
見る=想像することとスクリーニングすること

視る
ばっくりと見たら、次にやるのは適切な視点を導入しそこにあるパターンを認識する、ということです。
視る=選択し、塊に分ける
ここで使うフレームワークとして、後述の6Wが出てきます。

想像する
その次にやるのは、その場に欠けているものや、見えない構造を想像する、という作業です。
想像する=そこにないものを見る
ここでのフレームワークとしては、SQVIDがあります。これも後述します。

見せる
最後にやるのは、これまでの情報をすべて統合し、対象を意識して適切な見せ方で見せる、という作業です。
見せる=すべてを明確にする
ここでは、6Wと対応させて適切な絵(図)を使います。

3 6W:対象を視るときに押さえるべき6つのポイント

上記の「視る」のプロセスで便利なのが6Wのフレームワークです。

  • <誰>と<なに> ポートレート
  • <量>と<数> グラフ
  • <どこ> マップ
  • <いつ> 時系列表
  • <どのように> フローチャート
  • <なぜ> 多変数プロット
一般には「5W1H」というコトバが有名ですが、ここでは6Wというまとめ方が紹介されています。

4 SQVID:わかりやすい状況描写のために問う5つの質問

絵を見せる相手が誰なのかによって、使うべき絵は変わってきます。このSQVIDというフレームワークは、相手に応じてどんな感じの絵を描けばいいのかを考える際の手助けをしてくれます。


SQVIDというのは、Simple、Quality、Vision、Individual Attributes、Deltaの頭文字です。
  • S Simple(シンプル) vs. 精巧
  • Q Quality(質) vs. 量
  • V Vision(構想) vs. 実現
  • I Individual Attributes(個性) vs. 比較
  • D Delta(変化) vs. 現状
たとえば、Sの場合は「どれくらいシンプルにした方がいいのか?」を考えます。シンプルの逆は「精巧」。絵を見せる対象がその話題に詳しくない人ならシンプルな絵を、逆に詳しい人であれば精巧な絵を見せる、という判断をします。

5 6Wに対応する図:見せるときに便利な6つの図

上の6Wのうちどのポイントを重視するのかによって、最適な絵が異なってきます。
  • <誰>と<なに>:ポートレート
  • <量>と<数>:グラフ
  • <どこ>:マップ
  • <いつ>:時系列表
  • <どのように>:フローチャート
  • <なぜ>:多変数プロット
こういうパターンの引き出しを頭の中にたくさん持っていれば、何かを絵で表現したいとき、すぐに適切な絵を選ぶことができます。

そのほかのポイント

最後に、本書のその他のポイントをピックアップしたいと思います。

よりよく見るための4つのルール
  1. 可能な限りすべてを集める
  2. すべてを見ることができるように広げる
  3. 基礎的な座標を確立する
  4. 視覚的なトリアージ」を実践する

要素間の関係を把握するために人の脳が用いている要素
  • 近さ
  • 大きさ
  • 向き
  • 方向
  • 陰影

ビジュアルシンキングの価値を知るエクササイズ
あなたは、ことばの通じない島にやってきたとする。その島にはリンゴはない。紙とペンを使ってリンゴの説明を使用と思う。あなたならどんな絵を描くか?

・・・以上です。最後に感想を。

一言感想

この本を読むまでは、「図を使って考える」ということについては、「ベター」(そうした方がいいけどやらなくてもいい)程度に捕らえていましたが、この本を読んでからは、むしろ「マスト」(必ずやるべき)だと思うようになりました。

また、状況をあまりよく理解できていないときは図をうまく描くことができないので、絵を絵が描くことで「自分がちゃんと理解できてるかどうか」のチェックもできる、ということも学べました。

ページ数が多くて読むのに少し時間がかかりますが、良書です!

こんな方におすすめ
・図解が苦手
・プレゼン力を高めたい
・問題や状況をもっとスッキリと把握したい

おまけ
著者のページはこちら。
Solving Problems with Pictures


ビジュアルシンキング関連の類書
類書にはこんな本もあります。いずれもビジュアルシンキング関係。とてもおすすめなのでこちらもよろしければ。
ビジネスモデルを見える化する ピクト図解 / 板橋 悟
頭がよくなる「図解思考」の技術 / 永田豊志
頭がよくなる「図解思考」の技術 / 永田豊志 2回目


追記20111103
著者の新しい本と新しいサイトが公開されていました。この動画を見るだけでも、ビジュアルシンキングのすごさが端的にわかります。

Be Double Minded from Dan Roam on Vimeo.

DanRoam.com

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