2011/10/04

世界一やさしい問題解決の授業 / 渡辺健介


世界一やさしい問題解決の授業」を読みました。

この本は、一言でいうと「問題解決技術を子どもたちにも!」な一冊です。

著者はどんな人?
著者は渡辺健介さんという方。イェール大学、マッキンゼー、ハーバードビジネススクールを経て「デルタスタジオ」という会社を立ち上げられた方です(経歴スゴイ)。

目的
問題解決の基本をもう一度おさらいし、技術を高めるために読みました。
(基礎を強化することの大切さを最近身にしみて感じています)

目次
まえがき
1限目 問題解決能力を身につけよう
2限目 問題の原因を見極め、打ち手を考える
3限目 目標を設定し、達成する方法を決める
あとがき
1限目~3限目、という3部構成です。

まず1限目で問題解決の基本プロセスとツールを紹介したあと、2限目でマイナスをゼロにするタイプの問題解決、3限目で「目標達成」というゼロをプラスにするタイプの問題解決が取り上げてあります。


ビジネス書をわかりやすく解説するPersonal MBAにならって、以下、本書のエッセンスを7文にまとめてみました。

#1 問題解決手法とは、問題をうまく解決するための普遍的プロセスとツール群

問題解決の手法とは、「現状の理解」に始まり「実行」に終わる一連のプロセス。プラス、各プロセスで使うツール群のことをさします。

問題解決とは、ひらたくいえば、「現状を正確に理解し」「問題の原因を見極め」「効果的な打ち手まで考え抜き」「実行する」ことです。

#2 問題解決には一定の型がある

問題解決を効果的・効率的に行うためには、解決策やアクションにいきなり飛びついてはいけません。

まずは現状を理解し、そして、問題と原因を突き止め、打ち手を考え、実行する。その基本型に忠実に作業を進めることが、最終的には、より素早くスムーズな問題解決につながります。

そして、原因を特定するときも、打ち手を考えるときも、大切なのは、いきなり答えを出すのではなく「選択肢を洗い出してから取捨選択をする」ということです。この「広げてから絞り込む」というやリ方は、IDEOが提唱するデザイン思考のお話にも出てきます。

It is a series of divergent and convergent steps. During divergence we are creating choices and during convergence we are making choices.
(意訳)
それ(デザイン思考)は拡散と収束からなる一連のステップです。拡散のステップでは選択肢を出し、収束のステップでは選択します。

この「広げてから絞り込む」のときに活躍するのが、後ほど述べる「○○の木」です。

#3 問題解決の型を身につけるといろんな問題に対処しやすくなる

問題解決の型を身につけることで、仕事の問題、生活の問題、古い問題、新しい問題。いろんな問題が解決しやすくなります。

もちろん、問題が必ず解決できるとはかぎりませんが、これを身につけるのとつけないのとでは、アクションの精度が格段に変わってきます。

#4 もっとも便利な型は「○○の木」

問題解決のあらゆる場面で使えるもっとも便利なツールは「木」です。

ものごとを分解するとき、グループを分類するとき、選択肢を出すとき。あらゆるフェーズで木を使うことができます。一般的には「ロジックツリー」「ピラミッドストラクチャ」という言葉が使われることが多いですが、本書では
  • 分解の木
  • はい、いいえの木
  • 仮説の木
と、全部日本語でわかりやすい名前がつけられています。

有名な「マインドマップ」も、構造的にはツリーの一種ですね。

#5 他にもいろんな型

「木」以外にも、問題解決の各フェーズで役に立つ、さまざまなツールが存在します。
  • 課題分析シート
  • 二次元マップ
  • タスクリスト
  • ウォーターフォールチャート
  • プロコンリスト
  • 評価軸×評価リスト

これらを身につけると、身につけた分だけよりスムーズに問題解決を行うことができます。

ただ、これらを全部一気に使えるようにすると大変なので、まずは「木」をきちんと習得して、その後にひとつずつクリアしていくのがよさそうです(私自身も、うまく使えないのがたくさんあります・・・)。

#6 問題解決は自主性の源泉になるからこそ、価値がある

問題解決の手法に価値があるのは、それを身につけると最終、「人生をより自主的に生きられるから」。
「考え抜く技術」、そして「考え抜き、行動する癖」を身につければ、(中略)自ら責任が持てる人生、後悔しない人生を生きることができるようになるのです。
問題解決能力を身につければ、より主体的に生きることができるようになります。多面的に物事を見る力、本質を見極める力、打ち手を具体的な行動に落とし込む力を鍛えることができるからです。

7つの習慣」のひとつめにも挙げられている「主体性をもつ(Be proactive)」のためには、「問題に立ち向かう力」が必要で、そのためには「問題をラクに解く技術」が必要だということでしょう。

#7 問題解決に誤解をしている人はもったいない

世間には、問題解決の手法を身につけるとこんな風になるのではないか、という懸念があります。
  • 頭でっかちになる
  • 創造性をなくす
  • 欧米風の考え方を身につけて日本人らしさを捨てる

しかし、これらは全くの誤解です。

正しい問題解決とは、考えるだけでなく「実行する」というプロセスを含めたものですし、本当に有効な創造性を発揮するためには「現状を理解する」ことが不可欠です。また、問題解決は東西問わず有効な考え方です。

・・・以上です。最後に感想を。


感想
「問題解決の技術」は整理術なんかと同じで、「一見して地味だけど効果が高く応用範囲も広い、超強力なコアスキル」です。

ただ、社会人になればわりと早期に学ぶことができますが、ほとんどの学校では今まだ教えられていません。その存在を知らない子も多いようです。私自身、学部を出て大学院に入るか入らないかぐらいの頃まで問題解決のもの字も知りませんでした。。

人生のあらゆる場面で使えてものすごく便利なので、個人的には「もっと早く知りたかった」の一言に尽きます。ですので、この本のコンセプト「問題解決技術を子どもたちに!」というのに私は大賛成です。

私自身も、問題解決の技術を人に教えられるレベルになるまでバリバリ磨いていきたいと思いました。

こんな方におすすめ

  • 問題解決能力に興味のある子(?)
  • 子どもに問題解決能力を身につけさせてあげたい親御さんや先生
  • 部下や自分以外の誰かに問題解決をわかりやすく教えてあげたい方



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